教科書で南方の島々での日本軍の苦戦は知っていましたが、これほどまでに悲惨なことが起きていたとは全く知りませんでした。
ここでは書けないほどの悲惨な出来事が終戦までそして終戦後も続いたということは、元日本軍兵士も語りたくないでしょうし、語れないと思います。
その語りにくい部分をすべて、白日のもとにさらけ出したのがこの飯田さんの著作です。
大人も子供も、あらゆる世代が一度は読んでおくべきだと思います。戦争経験者の方が、
とにかく戦争が起きたらこういうことが起きるんです、それを知ったうえで考えたください、という発言をしているのを
来たことがありますが、この本に書かれていることはまさに、こういうことそのものなんですね。
近代戦では、最新兵器同士の短期決戦、ピンポイントな戦いだという人もますし、それは一面でそうかもしれませんが、
人の命を奪い合うという行為である以上、この本に書かれているような戦争が起きないという保証は全くありませんし、著者の飯田さんはむしろその危険性は増していると述べています。
とくに最後の”おわりに”という章は絶対に読むべきですね。
そこに「飢え死にした兵士たちのどこに、経済的繁栄を築く要因があったでしょうか。・・・・・・」というあたりの一連の文章には、怒りやくやしさとともに散って行った人々の無念さを思い涙せずにはいられませんでした。
「皆さんの尊い犠牲の上に現在の繁栄があります。安らかにお眠りください」という言葉が、思考停止のための道具であるということも知りました。
2016年06月13日
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貴重な証言はこれからも大切にしなくてはいけないですね。